槻岡建設株式会社
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あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏が当社の為に書いて下さっている連載が
好評を頂きましたので引続き掲載してまいりましたが、今回が最終回となりました。
ありがとうございました。

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省エネから創エネへ -環境の世紀にふさわしい住宅-

=平成21年 3月=

2年間続いたこの連載も、今回が最後です。 永い間ご愛読いただき、心より感謝します。
 限られた紙面の中で、かなり専門的な話も紹介しました。説明が行き届かずにわかりづらかった点もあったでしょうが、 事実を正確に知った上で大切なマイホームを選んで欲しい――。こういう思いからとご容赦下さい。 最終回は、これからの住宅が進むべき方向を考えてみましょう。
                         
 まず、より一層の高性能化が推進されるのは間違いありません。そうなると、『FPの家』もうかうかしていられません。 トップを走り続けるためには、相当の技術革新に迫られるでしょう。
 同じ断熱材を使って性能を上げるには、より厚く施工しなければなりません。しかし、3・5寸の柱では100ミリが限界であり、 次世代省エネ基準も、100ミリ断熱を想定した性能になっています。温暖化を防げる性能ではなく、 技術的に達成できるであろう性能を示したに過ぎない――。そう建築学会の重鎮も吐露しています。
 かたや欧州では、無暖房住宅(パッシブハウス)の取り組みが本格化しています。 その目標が凄い! 暖房・給湯・換気・家電・照明に要するエネルギーを、今より80%以上も削減するというのです。 これを達成するために、外壁にはなんと400ミリもの断熱材を施工します。世界はここまで進んでいるんですね。
   
 住宅に興味のある方ならご存知でしょうが、充填断熱と外張り断熱の優劣に、いまだにこだわる人がいます。 しかし、もう狭い井戸の中でいがみ合っている場合ではありません。 これからは、充填断熱と外張り断熱のダブル断熱でもしないと、世界との差は開くばかりです。 50ミリのプラスチックボードを貼った程度で自慢できるのは、日本くらいのものなのです。
 遅れをとらないための一例として、次のような方法が考えられます。柱を5寸(150ミリ)とし、 その外側にさらに断熱材を足す――。近い将来、これぐらいしないと高性能住宅とはいえなくなるでしょう。
 さて、こうした激しい性能競争も、実は第一段階に過ぎません。最終的には、一般家庭で消費するエネルギーを自前で調達する のが目標です。第二段階では、省エネから創エネへとステップアップします。
                                                 
 最も有望かつ現実的な方法は、太陽光発電の利用でしょう。日本はこの分野でトップの技術を誇りますが、 普及は遅々として進みません。世界一の《太陽光発電大国》の座を、とうとうドイツに奪われてしまう有り様です。 そんな中、政府はより低コストで高効率の太陽光発電の開発に乗り出すことを決定しました。 今よりもっと手軽に利用できるようになると期待しましょう。
 その際、エネルギー消費量が多いままでは、発電量の高いパネルの設置が必要です。 一方、エネルギー消費の少ない家なら、スリムな設備で事足ります。エネルギーの自給自足を実現するのに、 どちらがより近道かはいうまでもないでしょう。世界が住宅の性能アップにしのぎを削るのも、 来るべき創エネ時代を見据えてのことなのです。
 もちろん、住宅価格のアップは避けられないでしょう。これが最大のネックです。 誰だって限られた予算の中で家を建てるのですから……。それも、大金を払って《土地》を入手してからでないと 、肝心の家が建てられません。いくら性能が低くても、やっぱり坪25万円の家は魅力的!
                           
 しかし、そんなことをいつまでいっていられるか?原油価格の高騰は、省エネ対策の重要性を再認識させる良いきっかけでした。 温暖化防止でも、日本はより厳しいCO2の排出削減を求められています。 そうなれば、一般家庭でもエネルギーを無制限に使用できなくなるかもしれません。いわばエネルギーの配給制で、 あながちあり得ない話とは思いません。
 そこまで瀬戸際に追い詰められれば、割高でもエネルギーを自給できる家の需要は一気に高まるでしょう。 ただし、それでは手遅れです。抜き差しならぬ事態に陥る前に、ぜひとも賢い選択をしていただきたいと願っています。              (感謝)



                                  外丸 裕