=2月=

お施主様の声

あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏より
一年間の連載で4月よりお送りしております!

結露する家としない家

- 温度差が結露を起こすカラクリ -

 前回は加湿の重要性をお話しましたが、 普通の家で加湿を行った場合には困った問題が生じます。それが結露です。 寒くなれば結露するのは仕方ないと諦めているかもしれませんが、加湿しても結露を起こさない方法はあります。 実際、私は結露とは全く無縁の生活を送っています。
 温度が高いほど、空気はより多くの水蒸気を含むことができます。 空気1㎥中に存在できる水蒸気の量を飽和水蒸気量といいますが、 右下に示したとおり温度が高くなるほど飽和水蒸気量も多くなります。
       
これを踏まえて冬の家の中を考えてみましょう。家の中に暖房をした暖かい部屋と暖房のない寒い部屋があるとどうなるでしょう?  暖房した部屋も、暖房を切ったとたんにどんどん冷えていきます。例えば、こんな具合です。 室温20℃、湿度50%の快適な部屋があります。暖房を止めて就寝し、やがて室温は15℃まで下りました。 室温はさらに下って10℃になります。明け方には、とうとう5℃になりました。
普通の家ではよくあることですが、温度低下とともに飽和水蒸気量が下るので相対湿度は上がっていきます。 とうとう100%を超えたとき、オーバーした分は水に戻ります。これが結露です。
それでは、結露を防ぐにはどうしたら良いでしょう? もう判りましたね。温度差を作らなけれれば結露は起こりません。
この場合なら10℃以下にしなければ良いわけです。
ただし、温度の低い部分があると、その部分に結露は集中発生します。 朝起きたら窓一面に結露していたなんていうのが典型的な例ですが、これを防ぐには窓の断熱対策を怠ってはいけません。
今時、ペアガラスは当たり前。さらに上を求めるなら、トリプルガラスや真空ガラスがあります。サッシ枠の素材にも注意しましょう。 日本に多いアルミサッシはお奨めできません。プラスチックサッシや木製サッシなら結露と無縁です。
ところが、実はまだ安心できない。というのは、カビの問題が残されているからです。 カビが生えるのは見た目に汚いだけでなく、喘息などのアレルギー疾患の原因になります。 真菌症(例えば水虫)もカビが犯人ですし、身体の深部に侵入した場合にはより深刻な病気を誘発します。
  カビは湿気を好み、湿度80%以上が要注意です。そうなると、室温が10℃まで下ってしまっては心もとない。 15℃までを安全ゾーンと考えた方が良いでしょう。だからこそ、15℃以下になるような家は高性能住宅といえないのです。
一頃シックハウスが問題となり、今でもホルムアルデヒドを気にかける方は少なくありません。 しかし欧州では、すでにカビ対策に重点を移しつつあるのをご存知でしょうか? それだけ、カビの危険性が認識され始めているのです。
もし、性能が低いまま結露をなくしたいと願うなら――。昔の家のように暖房機を使わないのが一番です。 もともと寒ければ、違った意味で温度差はできません。飽和水蒸気量が低いので、乾燥し過ぎることもないでしょう。 ただし、そんな生活にあなたは耐えられますか?


                           外丸 裕 


                   

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