=3月=

お施主様の声

あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏より
一年間の連載で4月よりお送りしております!

花粉症に悩まされない家

- 家とアレルギーの密接な関係 -

 悩ましい季節がやってきました。 20年以上前に花粉症になって以来、私はこの時期にはティッシュが手放せません。花粉症は代表的なアレルギー疾患です。 今や国民病とさえいわれ、テレビで花粉の飛散情報まで教えてくれます。
                   
 花粉症を筆頭に、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー疾患に苦しむ人が激増しているそうです。 1970年以降に生まれた方の8割以上がアレルギーになりやすい体質といわれており、 日本は他に例を見ないアレルギー大国なのです。
 文科省の調査を見ても、ここ十年で喘息を患う児童・生徒の数が倍増しています。 小学生では4%もの子供が喘息です。厚労省が実施した調査では、 幼児の十人に一人がアトピー性皮膚炎という驚きの事実が明らかになりました。
                                        アレルギーでない人には、その苦しみは理解しづらいでしょう。死ぬほどの病気ではないし――。 そう侮っている方も多いのではないでしょうか? しかし、激しいアレルギー反応が全身的に起こると、 血流が乱れてショック状態に至る場合があります。顔から血の気が引いたら危険信号で、最悪の場合には命を落としかねません。
 これをアナフィラキシーショックといい、食物アレルギーはつとに有名です。 1988年に給食で蕎麦を食べた小学生が死亡した事件の原因もアナフィラキシーショックでした。 しかし、花粉症で死亡したケースだってあるのです。


 原因となるのはスギ花粉ばかりではありません。例えば、キク科のブタクサやヨモギの花粉に反応する人もいます。 その場合、キク科の花全てに注意が必要です。体調にも大きく左右されるため、 これまで大丈夫だったからと油断すると命取りになりかねません。
加えて、アレルギーを起こす犯人は家の中にも潜んでいます。前回取り上げたカビのほか、ダニは代表的なアレルゲンです。 最近では、ゴキブリもアレルゲンとなることがわかってきました。窓を開けなくても、花粉は家の中に侵入してきます。
  
 それでは、アレルギーに強い家にするにはどうしたら良いのでしょうか? 実は、ここでも性能がものをいいます。 高性能住宅はアレルギーにも強い家なのです。治すなんていったら誇大広告ですが、アレルギーを予防し、 発症した場合にも症状を緩和してくれます。
理由はいたって単純です。アレルゲンが少ないからです。隙間がないので、高性能住宅には花粉が入ってくる心配がありません。 事実、花粉症に苦しむ私も、家の中だけでは症状が出ません。隙間がないとゴキブリも入ってこないとみえます。 十年間ゴキブリは一匹も見ていません。
 温度と湿度をコントロールできるので、高性能住宅はカビない家です。カビとダニの生育条件はほぼ同じですから、 このことはダニも繁殖しづらいことを意味しています。これだけでも、アレルギーの人にはパラダイスのような家となるでしょう。
                     
 これから家を建てようと計画している方は、どうか外見や見栄えばかりに気をとられないで下さい。 雨露を凌ぐだけの家ならそれで良いでしょうが、性能を無視した家にはアレルゲンが氾濫し、 日本を更なるアレルギー大国に押し上げてしまうでしょう。何よりも、何の罪もない小さな子供たちに、 あえて茨の道を進ませるのは忍びないとは思いませんか?
 食べ物ばかりでなく、アレルギーの原因は家にもある――。そう指摘しながら、建てた時点で運命の道が分かれることに、 多くの方が気付いていません。家を建てる前にこそ、あなたが家に求める条件をじっくりと見つめ直して下さい。


                          外丸 裕 


                   

エッセイ履歴へ