=平成20年4月=

お施主様の声

あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏が当社の為に書いて下さっている連載が好評を頂きましたので
引続き掲載できる事になりました。

頭のよい子が育つ家・・・?

- 脳の仕組みから家を考える① -

 今から1年ほど前、テレビで「頭のよい子が育つ家」という特集を組んでいました。 家によって頭が良くなら、子を持つ親としてこれほど嬉しいことはありません。そんな家が欲しい!
  興味がわいて調べてみると、情報の発信源は慶応大学のSFC研究所というところらしい……。 難関中学に合格した200人の生徒にアンケート調査をした結果、予想に反する意外な事実が明らかになったというのです。
 世の中の親御さんたちは、個室なら勉強がはかどり成績も良くなると錯覚しています。しかし、 家族が団欒している居間や家族の気配を感じる片隅など、《頭のよい子》は雑然とした環境で勉強していました。 勉強部屋という個室では、かえって勉強効率が落ちるらしいのです。
                
 この調査結果を踏まえて建てられた家が「頭のよい子が育つ家」です。共通しているのは、できるだけ部屋を仕切る壁をなくし、 廊下のない開放的な間取りになっているという点です。        
 そういえば、子供の引きこもりが騒がれた頃、玄関に階段があって、2階の子供部屋に直行できるような間取りが問題とされました。 個室とは「孤」室に他ならないと非難されたものですが、これと同じことです。
 成績が良ければ頭のよい子――。私はそうは思いませんが、生きる知恵があり、良識を持った子供が《頭のよい子》だとすると 、オープンな間取りの家が良いという考えには大賛成です。
 というのも、開放的な間取りになっていると、たとえ子供室があっても、親子の距離は格段に近くなります。 結果的に言葉を交わす機会も増え、家族の親密度が増すでしょう。目に見える壁を取り払うのは手段に過ぎず、 家族の《壁》をなくすことにこそ意味があるのです。
 特に、小学校低学年頃までの子供にとって、両親とのコミュニケーションは決定的に重要です。 これは脳の成長からも科学的に説明できます。
                                     
 直立二足歩行を始めた代償として、人類は胎盤が狭くなりました。頭が大きいと、産道につっかえてしまいます。 このため、誕生してから脳を仕上げる二次的晩熟性という戦略を採るようになったのです。わずか400g程しかない新生児の脳は、 6~7歳の頃までに1300gとなり、20歳頃に1500gとなってピークを迎えます。
 良質の脳にするには、こうした成長過程で偏りのないたくさんの刺激を与える必要があります。様々な刺激を受ければ、 それだけ脳の細胞同士のネットワークは複雑さを増し、同じ刺激を繰り返すことでネットワークが強化されます。 これが記憶や学習を支える脳のメカニズムです。
 ただし、難しく考える必要はありません。子供とたくさん触れ合うことが、脳の成長を促します。小さな子供にとって、 身の回りに起こる出来事全てが刺激となり、とりわけ両親から受ける刺激が何にも増して大切なのです。親子のコミュニケーションを 育む開放的な家なら、きっと子供にたくさんの刺激を与えられるでしょう。
 それなら早速、対面式キッチンどころか家中をオープンにしちゃえ 。 でもその前に……。大切な点を見落とさないで下さい。 壁で仕切らないということは、全館冷暖房をするということですよ。

          
          

 性能の低い家でこんな真似をしたらどうなりますか? 吹き抜けにすると、決まって後悔するものです。しかし、 高性能住宅なら朝飯前。リビングに階段があっても大丈夫! 基本がしっかりしているからこそ、『FPの家』は 「頭のよい子が育つ家」にするにはうってつけの家なのです。
                   
                                外丸 裕 


                   

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