=平成20年5月=

お施主様の声

あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏が当社の為に書いて下さっている連載が好評を頂きましたので
引続き掲載できる事になりました。

女性に優しい家づくり

- 脳の仕組みから家を考える② -

 今時の家づくりは主婦が主導権を握ることが多いようですが、主婦たちは家の大きさを重視します。 興味深いことに、男性の26%に対し、女性では57%もの方が《部屋数・広さ》を最優先しているのです。 女性は見栄っ張りなのかな?
 えいえ、そうではないようです。というのも、子供の数が多いほど、3LDKや4LDKの家を求める比率が高まります。 つまり、女性は広々としたLDKに家族が集い、子供には自分の部屋を与えたいと願っているのです。 そういえば、前回紹介した「頭のよい子が育つ家」も、30代~40代のお母さん方の注目を集めていると聞きます。
 これを母性愛という言葉で済ましてしまえば簡単ですが、この母性が生じるメカニズムを、今回も最新の脳科学から説明してみましょう。    
 ネズミを使った実験では、出産によって母親の脳に変化が起きることがわかってきました。子ネズミの泣き声を聞いたり わが子を見つめたりしただけで、なんと母ネズミの脳が活性化するのです。この傾向は、授乳によって促進されます。
 その結果、記憶力が増強されるばかりか、不安や恐怖にも強くなります。未婚のネズミが怖気づくような場面でも、 母ネズミは逞しくわが子を守ります。まさに、母は強し――。
 特に注目したいのは、報酬系と呼ばれる回路が活性化する点です。この報酬系が活性化すると喜びや幸福感を生じます。 そこで、母親が育児に専念するのは、単に気持ち良いかららしいという説が出てきました。
                      
 程度の差はあれ、同様のことが人間の女性にもあてはまると考えられます。だからこそ、女性は家族や子供を大切にするのでしょう。 だって、そうすることが快感なのですから……。
 ここで、「女って損!」なんて怒らないで下さいね。神様はご褒美も用意しています。 母親の脳は、育児を終えた後でも衰えません。つまり、老化しにくいのだそうです。

         

 しかし、ネズミを使った実験をもう一つ紹介しましょう。小屋でネズミを飼育し、 満杯になるまで繁殖させるとどうなると思いますか?  ネズミの数が2倍・4倍と増えるに従い、異常行動が目立ち始めます。落ち着きがなくなると同時に凶暴化し、 母ネズミは子育てを放棄します。最後には、死んだ子ネズミを貪るばかりか共食いまで始め、まさに修羅場と化します。
 「ネズミって怖い!」と感じたかもしれませんが、同じような事件が、人間界にだって続出していないでしょうか?  実は、密集状態になると過剰なストレスがかかります。そんな状態が続くと脳細胞が死滅して思考に柔軟性がなくなり、 短絡的に自己防衛しか考えられなくなるのです。

 そうでなくても、現代はストレスの多い社会です。それならば、せめて家ではできるだけストレスのない生活を過ごしたいと 思いませんか? 母親が育児を楽しめるようにするためにも、これは非常に意味のある配慮です。 ストレスは心理的なものと誤解している方が多いのですが、住環境に起因するものも結構多いのですよ。
 暑さ寒さに悩まされ、淀んだ汚い空気を吸い、ダニやカビが繁殖する――。こういう暮らしでは知らぬ間にストレスが溜まり、 次はストレス発散にまで頭を悩ませます。これに比べ、性能の良い家は出発点が違う――。ストレスを元から絶つのです。 そこで、高性能住宅は心と身体に優しい「癒しの家」といっても良いでしょう。
 これから家を建てる方には、ぜひ女性が快適に寛げる家を建てていただきたい!  家の大きさを気にする前に、女性にこそ家の性能を考えて欲しいと思います。なぜなら、 お母さんが笑顔でいることが、家族が幸せになる秘訣なのですから……。


  ■VOCとは、Volatile Organic Compoundsの略。揮発性有機化合物のこと。
     沸点が低いために容易に気化して室内空気を汚染し、シックハウスの原因となることが多い。

                          外丸 裕 



                

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