=7月=

お施主様の声

あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏より
一年間の連載でお送りします!

『省エネ住宅の見分け方』

−性能を示すバロメーター−

  暑い夏や寒い冬を快適に過ごすため、今や冷暖房は必須の 住宅設備になっていますが、一般家庭で最もエネルギーを消費しているものこそ、実はこの冷暖房なのです。 この冷暖房に要するエネルギーをできるだけ少なくするのが住宅の省エネ化の柱であり、その対策を施した家が 省エネ住宅となります。
 では、具体的にどのような対策を施すのでしょうか?今回からは、省エネ住宅を比較する際に知っておきたいポイント 一通り紹介していくことにしましょう。
                 
 ここで、水筒に入れた水を想像して下さい。いくら冷たいを入れても、炎天下ではあっという間に生ぬるい水に なってしまうでしょう。原因は、水筒の容器を伝わって熱の出入りが生じるからです。これが熱伝道と呼ばれる現象です。
 水筒の水をいつまでも冷たいままにしておきたいと願うなら、この熱伝道を遮断してやらなければなりません。 そのためには、冷水と暑い外気との間に特殊な層を設けて、熱が移動できなくしてやれば良いわけです。 たとえば、すっぽりと真空層で包んでやるとどうでしょうか。熱は真空中を伝わらないため、中の水はいつまでも ヒンヤリしています。これが「魔法瓶」の仕組みです。
 しかし、大きな家を丸ごと真空層で包むことは不可能です。そこで住宅の場合には、内壁と外壁の間に、 熱をより伝えにくい素材を挟んでやります。これが断熱であり、そこで使用される建材が断熱材というものです。 今日では、断熱材を施工しない家はまずありません。(注 断熱材をどこに挟むかで、充填断熱と外張り断熱の違いがあります)
 
 ただ、断熱材が入ってさえいれば、みな同じ省エネ住宅というわけではありません。
 断熱材には様々な種類があり、それぞれ熱の伝わりにくさに違いがあります。施工される厚さもまちまちで、 50ミリから200ミリ、あるいはそれ以上の場合もあります。家の断性能は、壁・天井(屋根)・床下(基礎)など、 それぞれの場所にどのような断熱材をどの程度の厚みで施工したかによって、総合的に決まります。
 この他、窓や玄関のドアの断熱化も忘れてはいけません。疎かにすると、ここが熱の抜け道になってしまいます。 ペアガラスは標準化されつつありますが、ガラスの厚みやガラスに挟まれた空気層の巾、あるいはサッシ枠の素材などによって、 やはり性能には違いがあります。
                        
 これら全てを検討しなければ、その家がどの程度の断熱性能なのか判断できません。当然、省エネ度も大きく違ってきますが、 そこまで考えられる方はそうそういらしゃらないでしょう。むしろ、頭を抱えてしまうのが普通です。
 そんな場合は、Q値{熱損失係数}という数字に注目して下さい。これは家全体の断熱性能を示す数字です。 細かいことがわからなくても、家の断熱性能を簡単に比較できるとても便利な数字なのです。
 注意していただきたいのは、Q値は低くなるほど断熱性能が良いことを意味します。
 《ゼロ》であれば全く無駄のない理想的な省エネ住宅になりますが、残念ながらそんな家は存在しません。 一つの目安として、Q値が『2』を下回っていることが、これからの省エネ住宅の最低条件です。 Q値が『2』以上では、温暖化防止には無力です。ましてQ値を公表していない場合には、 性能的に劣っている家と考えて差し支えないでしょう。

                            外丸 裕 


                     
 

  

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