=平成20年7月=

お施主様の声

あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏が当社の為に書いて下さっている連載が好評を頂きましたので
引続き掲載できる事になりました。

夏でも窓を開けない暮らし

- 高性能住宅のエアコン活用術① -

 窓を開けて暮らすもの―。もう何千年と続いてきた夏の暮らし方です。 しかし、私は絶対に窓を開けません。外は猛暑でも、家の中は28℃のまま。もちろん、一日中冷房した上での話です。
 こんなことを言い出すと、十人中九人は驚いてしまいます。中には、「もったいない!」と嫌悪の表情を浮かべる人すらいますが、 エアコンを上手に活用するには、本当に窓を開けた方が良いのでしょうか? 実は、窓を開けない方が省エネになるという、 嘘のようなケースもあり得るのです。

           
 エアコンを付けっ放しにしても、機械は自動的にオンとオフを切り替えます。設定温度を維持するので涼しくなりますが、 相当の電気代を覚悟しなければなりません。そこで、朝晩は窓を開けてやり過ごし、暑さがピークになる時間帯だけエアコンの お世話になるのが普通でしょう。熱のこもった室内を冷やすには、一時的にものすごい電力を要しますが、 運転時間が短くトータルでは省エネとなります。スイッチは細めに切る――。そうする方が絶対にお得です。
 ただし、高性能住宅の場合には、そうとばかりはいい切れない! 一日中冷房しても、意外に電気代はかかりません。 エネルギーロスが少ないため、オンとオフの間隔が長くなるからです。こうなると、必ずしも窓を開けた方が得策とはいえません。 窓を開けてしまうのは、せっかくの高性能を手放すに等しい自殺行為なのです。


           

 ところで、窓を開けない暮らしを実践する際には、一点だけ注意して下さい。家の中で殺虫剤を使うのは止めましょう。 「刺されたらどうする?」と心配しなくても大丈夫! 隙間がない上に窓も開けなければ、驚くほど虫が入って来ません。 蚊や蝿に悩まされないので、使う必要がないでしょう。
 家庭用殺虫剤は、ほとんどがピレスロイドです。これは除虫菊の天然殺虫成分を真似て人工合成した化合物の総称で、 比較的安全な殺虫剤といわれています。しかし、使い過ぎはやっぱり健康に良くない。それどころか、脳の成長に影響する 懸念すらあるので、小さな子供のいる家庭では特に注意が必要です。
                 
 そうはいっても、開放と密閉をごちゃ混ぜにする現代の暮らしでは、使わざるを得ないのも事実です。殺虫剤なしで、 夏なんか過ごせません。しかも、閉め切った中で使うケースが多くなりました。これは非常に危うい生活で、 タバコの煙害どころの問題ではありません。
 それに比べれば、昔の暮らしの方がよほど理に叶っています。蒸し暑さを凌ぐため、家は隙間だらけで夜も開け放ったまま――。 決して快適ではありませんでしたが、蚊取り線香を焚いても家の中にこもる心配はなかったわけです。
 反対に、密閉に徹すれば家の中に蚊が入ってきません。殺虫剤を使わなければ、閉め切っていても空気は汚れません。 全館冷房は快適この上なく、高性能を生かしてエネルギー消費も最小限にとどめます。これはこれで、きちんと筋が通った 暮らし方だとは思いませんか?
 


    ■隙間の多い家では湿度が下らないため、25℃くらいにならないと不快です。
      一方、隙間のない家では湿度が50%台になるため、省エネ推奨温度の
      28℃で快適に暮らせます。

                             外丸 裕 



                

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