=平成20年9月=

お施主様の声

あの『健康な家に住みたいな!』の著者外丸氏が当社の為に書いて下さっている連載が好評を頂きましたので
引続き掲載できる事になりました。

『ロハスな家』ってどんな家?

- 本当に環境に優しい家を考える -

 ロハスという言葉を知っていますか? なんやら住宅でもお洒落っぽく『ロハスな家』なんて宣伝しますから、 皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。
 この言葉は1990年代にアメリカで使われ始めたビジネス用語で、2000年を過ぎると日本にも紹介されるようになりました。 私が初めて目にしたのもこの頃で、当時は好んで使用したことを思い出します。
 しかし、最近は少し冷めた目で見るようになりました。というのも、ちょっと薄っぺらな方向へ進んでいるように感じられるからです。 心外に思う方がいるかもしれませんが、私の考えの根幹にも関わるので、その理由をまず簡単に説明しましょう。 ロハスを直訳すれば、ヘルシーでサスティナブルなライフスタイルを意味します。ヘルシーが健康を意味するのはいうまでもありませんが、 サスティナブルは「継続可能」と訳されます。

    ※ロハスとは、次の頭文字をとった言葉
      Lifestyles   【生活様式】
      O
      Health     【健康】
      And
      Sustainability 【継続可能】
                

 高度な文明の発達により、人類は様々な恩恵を受けています。しかし、20世紀末にはその矛盾も噴出してきました。 一例として、農薬汚染や環境破壊を挙げることができるでしょう。公害病に代表されるように、こうした環境の悪化が人の健康を 蝕んでいます。既知の病気ばかりでなく、原因不明の環境病に苦しむ人も増えました。
 その結果、健康に生きることをロハスは希求します。ただし、どちらかというと従来の西洋医学には否定的で、 代替医療によって生命力や自然治癒力を高めることに熱心です。抗酸化や抗老化などの言葉がキーワードとなり、 サプリメントやヨガが流行って今日に至っています。
 食べ物や日用品の安全性にこだわるのも根っこは同じ。 合成品や添加物を敵視し、天然成分や自然素材を歓迎します。オーガニックという言葉が氾濫し、 その使用が厳格に規制されるようになったほどです。
 他方で、環境に優しい暮らしを積極的に心がけ、豊かな自然を守るために身近なところから行動を起こすのもロハスの特徴です。 環境破壊がこのまま進めば、地球は人類の住めない星になりかねません。 人類の発展を維持するには、環境との共存を図る以外にないからです。これがサスティナブルという考え方です。 ロハスは、価格よりも環境への優しさを優先します。リサイクルに熱心で、エコバッグも率先して使用するでしょう。
                  
  さて、こうしたロハス的な観点から家を考えていくと、自然素材をふんだんに使用した自然住宅が好まれるようです。 総無垢材仕上げ――と聞いただけで「健康に良さそう!」って思いませんか? 無添加住宅やオーガニック住宅なんて聞くと、 ロハスを信奉する人にはたまりません。
  しかし、私は少々うんざりしています。ロハスは一種のお洒落のようなもの――。そういう気がしてなりません。 冷静に、そして科学的に健康や環境を考えるのではなく、多分に健康産業やマスコミの作り出す流行に 踊らされているだけではないでしょうか?
 私自身試行錯誤しましたが、オーガニックが必ずしも良いとは限りません。 サプリメントの過剰摂取は非常に危険で、お薬との相互作用への注意も必要です。 そして、『ロハスな家』にも同様のことがいえるでしょう。
                                 

 実際には、自然素材を使った程度で健康住宅にはなりません。むしろ、弊害さえ出てきます。その上、環境に優しい家かも疑問です。 というのも、自然素材を使っても地球温暖化には無力だからです。これを防ぐには、住宅性能を引き上げるしか方法はありません。
  だとするならば、まともな性能すらない家が、偉そうにロハスを語る資格はありません。 省エネを追求しもしないで、何がロハスかとがっかりしてしまうのです。     
                            外丸 裕 




                

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